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EPISODE:12

 イカスカルマスクを首にかけた黄緑のガール――――アオイがニヤッと笑った。
「誰かと思えば……こんなところに1体、何の用だ?」
 アオイの問いかけに、シダレは答えなかった。
「まさか、偶然なんて言わないよなぁ? ……答えろ、クソジジイ」
 その言葉からは、殺気さえ感じられた。
「これは……お前がやったのか」
 シダレは自身の足元を指差す。そこには黒インクが溜まった地面と、引き裂かれたような跡が残る、バトロイカの腕章があった。
 アオイがクスクスと笑い出す。
「だとしたら、何だ?」
 アオイの1つ1つの言葉と仕草が、シダレの鼓動を早める。在るのは怒りか、焦りか、それとも……。
「今なら……今なら、まだ戻ってこられる。だから――――」
「ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと最初の質問に答えな」
 アオイは尚笑っているものの、眼光は獲物を追う鮫のように鋭かった。
 シダレは1度、口を真1文字に結んだ。
「お前を追ってきた。俺だけではない……オキナも、そしてヒメリも、お前が戻ってくることを望んでいる」
 淡々としながらも、胸中では懇願していた。
「俺のことはいい。だが2人は……今回のことで大いに傷ついた。……まだお前に良心があるなら、2人のためにも――――」
 シダレの話を遮ったのは、冷たい笑い声だった。
「やっぱりアンタは、何も分かっちゃいないよ。アタシの今のチームはクロサメ。それ以外は所属している覚えもない」
 シダレは今や、全身で鼓動を感じていた。空気が上手く肺に行かない。
「そのクロサメは……何故、あのようなことを……」
「革命さ」
 アオイがニヤッと笑う。
「アンタたちが平和ボケして見てきたセカイは、そこでインク溜まりになっているバトロイカのヤツらが作った仮想の場。……維持するために、数多の犠牲を払っていたのさ」
 アオイはリスポーンデバイスを降りながら、語り続ける。
「覚えてるか? 偶然にもアンタがバトルで手助けをした、アタシの教え子だったビギナーボーイ……アイツは下手だから、ウデマエが無いからという他人からの根拠もないこじ付けで苦しんで、ハイカラシティを出ていった。籠の中にいたアタシは、その嘆きにさえ気付けなかった」
 徐々に近づいてくる姿に、畏怖さえ感じていた。
「それだけじゃない。使っているブキ1つで邪険にされたり、そもそもナワバリバトルをすることすら許されないヤツだっていた。アタシは……ソレを知って驚いたよ。そして、見て見ぬフリをしていたヤツらに、呆れと憤りを感じた」
 アオイが目の前に立ち、品定めするようにシダレを見た。
「だから決めたのさ。誰も辛い思いをしない、平等なセカイを作るために革命を起こそうってな。現にクロサメには色んなヤツがいる……アンタは今の話を聞いても、アタシを連れ戻そうなんて絵空事を言えるかい?」
 問いかけられた後、シダレは目を閉じた。
「……それが、『今』のお前か」
ゆっくりと目を開き、黒い瞳と向き合う。

彼女の覚悟は十分に伝わった。

それでも……否、だから余計に、思いは1貫していた。

「なら、俺は打ち砕く……お前が『カエデ』に戻るまで!」
 シダレはアオイに向かって言い放った。
「そうか……やっぱり、アンタとアタシは1生かけても分かり合えないみたいだ」
 アオイが困ったような笑みを見せた。
「さて……アンタはそう言うけど、アタシに帰る気はさらさらない。でもまぁ、これじゃお互いに引かないまま夜が明けるのは必然だよな」
 アオイがイカスカルマスクに指をかけ、腰に手を当てる。
「……お前は何も分かっていない」
 シダレは吐き捨てるように言った。
「そうかい。じゃ、そう思っていればいい」
 アオイは表情1つ変えなかった。
「さて……アタシも忙しいんでね。アンタにばっかり構ってるわけにはいかない。無駄話はこれくらいにして――――」
 突然、シダレの目の前に、アオイのボールドマーカーネオが突きつけられる。不意を突かれ、シダレは目を見開いた。
「……大人しくしてもらおうか!」
 月光に照らされたその顔は、狂喜しているようにも見えた。
カチッという小さな音とほぼ同時に、シダレは後方へ飛び退く。目の前で黒インクが飛び散った。
「っ…………!」
 咄嗟に出した左手に黒インクが当たった瞬間、激痛が襲う。真っ黒なインクが指を伝った。
「……へぇ、アンタでもそんな顔をする時があるんだ」
 アオイはシダレを見て、1瞬目を瞬かせていたが、すぐにまた笑みを向けてきた。指にかけたイカスカルマスクが、アオイの口元を覆い隠す。
「黒インクが、そしてクロサメがどういうものか、もう十分分かっただろう? それでも抵抗するなら……容赦はしないよ」
 アオイがボールドマーカーネオで弄び始めた。シダレは左手を見下ろす。黒い中に水色が混じり、指先は小刻みに震えていた。シダレは1度深呼吸をし、そして……その手でハイドラントの取手に触れた。
「俺は今のお前……いや、貴様などに屈しはしない。引きずってでも連れ帰せてもらう」
 思いチャージ音と振動が傷口に響く。水色と黒が地面に垂れた。
「そうか……残念だよ」
 アオイがそう呟いた後、正面から突っ込んできた。ボールドマーカーネオの射程圏に入る直前に、シダレはトリガーから指先を離す。しかし、突如アオイがその場にしゃがみ、水色のインク弾を避けた。
「甘い」
 シダレは手前にスプラッシュボムを転がす。予想通り、アオイが後ろへ引いた。ボムが破裂して、2人の間を飛沫が遮る。シダレはすかさずインクに潜り、続いて僅かにチャージした分の弾をアオイ目がけて放った。
「それはこっちのセリフだよ」
 だが、アオイには当たらない。軽々と跳ぶと、壁にべったりと塗られていた黒インク内に潜り込む。刹那、壁を蹴ったかと思うと、シダレに向かって襲いかかってきた。
 シダレは先ほど撃ったインクの中を進み、アオイの接近から免れる。インクの端まで来るとヒト型に戻り、そのまま金属質の床の上を走った。
「そんな小細工が通用するか!」
 振り向くと、アオイが両脇の壁を交互に跳び移り、迫ってきているのが見えた。シダレはハイドラントを右手だけで持つと、アオイの動きを遮るよう、壁を上から下へ1直線に塗りつぶす。予想通り、アオイが地面へ下りた隙に、そこから1気に高台へと上がった。
「チッ……捕まえるか逃げるか、ハッキリしたらどうだ!」
 アオイがシダレを見上げ、吠えてきた。
「……お前のやろうとしていることは、結果的にお前の信念に従った者たちをも傷つけることになる」
 シダレはハイドラントのトリガーを握ったまま、話し続ける。
「イデアだけでは成立しえない……お前の言うそれは、間違いなく絵空事だ。もう分かっているだろう……今1度――――」
「うるさいんだよ!」
 アオイの射抜くような眼光が、シダレに向いた。
「アンタが何を分かってるって言うんだ……現実から目を背けているのは、どっちだよ!!」
 突然、アオイが壁に向かって走り出す。その脚が地を蹴り、またしても身体が宙へと飛び出した。
「アタシは認めない……アンタみたいなヤツらを!」
 壁から壁へとインクを瞬時に塗り、地表だけでなく空中をも味方に付ける、『空中雷神ステップ』。シダレが気づいた時、既にアオイは目の前まで跳んできていた。
「が…………っ!」
 正面からアオイの放つ黒インク弾を受ける。1方で、シダレもアオイに向かって散弾を撃ち込んでいた。
「……! くっ…………」
 アオイが仰け反り、下へと落ちていく。シダレはアオイの後を追うようにして、そこから空中へと繰り出した。
 落下中、アオイに銃口を向ける。そのままトリガーから手を離す、それだけのことをすればいいはずだった。

 黒インクに塗り潰されたイカたちの、跡形もなくなった姿がアタマをよぎる。

 もし今、目を閉じている彼女を撃てば、どうなってしまうのだろう?

 シダレはトリガーを握ったまま、地に足を着く。そして、溜めていた全弾を、倒れているアオイを囲うようにして放った。
「……ハッ、バッカじゃねぇの」
 アオイが起き上がる。言葉とは裏腹に、表情には怒りがこもっていた。
「アンタやっぱりクソジジイだ……絶対後悔させてやる……!」
 アオイのフクに付いていた多量の水色インクは、すぐに消えた。
「こちらも引くつもりはない。お前の気が変わらない限りはな」
 シダレはそう言いつつも、自身に異変を感じつつあった。左手の震えが1向に収まらない。その上、先ほどのダメージからか、呼吸の乱れもあった。胸元には真っ黒なインクが染み付いたままになっている。
「失せろ!」
 アオイが再びこちらへ向かってきた。シダレも応戦するが、アオイの俊敏かつ不規則な動きは照準を惑わせる。背後はインクを弾く金属質の床。下がれば余計不利になる状況だった。シダレは交差する形でアオイの攻撃を避けようとした。
「……ハッ」
 跳んできたアオイと目が合う。マスクの下の笑みが、僅かに覗いた。
「……っ!?」
 しまった、と思った時にはもう手遅れだった。シダレは間合いを取った後、左肩の激痛に膝をつく。アオイの放つ黒インクは確実に、シダレを追い詰めつつあった。
「フン……呪うなら自分を呪うんだな」
 アオイが勝利を確信したように歩み寄ってくる。
「まだだ……!」
シダレは左肩を抑えていた右手をハイドラントに置き、抵抗しようとした。

 ……イ…………。
 その時、何かがアタマの中に響く。
 …………イノ……イヤダ……。
「止めろ……」
 喉元が脈打つのを感じた。震える手は、ハイドラントのトリガーを引けずにいる。
2色のインクが混ざって、地面にポタポタと溜まり始めていた。
……コワい………痛い!!

 今更、何を――――!

左腕を抱えるようにして蹲る少年の姿が、それを見下ろす自身の姿が見えた。

「終わりだ」
 顔を上げた途端、アタマに冷たいものが触れた。
「カエ――――」
 その名を呼ぶ前に、カチッという音がなり、視界が黒に染まった。



 僅かに開いた目は、青白い満月を映し出す。その隅に、黒いアタマが見えた。
「行……くな…………」
 絞り出した声は、あまりにも小さすぎた。うつ伏せになり、彼女の行く先を目で追う。身体が思うように動かない。アタマの左側から、黒い液体が垂れてきた。
 黒色が黄緑に変わる。
最後にマスクを下ろした彼女は、間違いなく――――。
 立ち去る姿が歪み、そのままシダレは意識を失った。


「こっちよ」

 暗闇の中、誰かが手を引いていくのを感じていた。その間、様々な記憶がアタマを過ぎる。

 陽光に照らされた黄緑の鉄骨塔、沢山のイカたち。いつも立ち止まる、ツリー下の自動ドアの横。

 遅いんだよ!

 珍しく早いのはそっちだろう。

 そう言いかけた時、目の前の姿が消えた。





 ハッとして起き上がると、ひどく見覚えのある景色がそこにあった。
「シダレ……!」
 目眩がしてアタマを抑えた時、横に誰かが駆け寄ってきた。見上げると、黄色い瞳がこちらを心配そうに見つめていた。
「よかった……待ってて、ヒメリを呼んでくるから……」
 真っ青な顔でオキナが言った後、部屋を出ていく。山積みになった本は、若干片付けられていた。
 シダレは自分の部屋へと帰ってきていた。それは彼女を連れ戻せなかったという現実を、より1層明確にするには充分過ぎたのだ。
 シダレはベッド上に置かれた右手の指先を、掌に食い込ませるようにして握った。左腕は未だ焼けるような感覚を覚えている。その上に巻かれた包帯は、指先までも白く覆っていた。
「お兄ちゃん……」
 少しして、部屋の入口にヒメリが姿を現した。シダレは何と声をかければいいのか分からず、僅かに顔を背けてしまった。
「無事で、よかった」
 しかし、ヒメリはそれだけ言うと、側に来てしゃがんだ。それから、シダレの右手を両手で包み込むようにして持ち上げる。シダレはその手を黙って見続けた。
「オキナが連れ帰ってきてくれたの……病院に搬送することも考えたけど、バトロイカは今あの状況だから……黒インクを見たら何か誤解をされるかもしれないと思って、それで……」
「すまない」
 その1言で、部屋内が静まり返る。必死に話をする妹の様子が、苦しかった。
「…………謝らないで」
 詰まりかけたような声がして、シダレはヒメリの顔を見る。だが、ヒメリは泣いていなかった────震えた唇は、笑顔を取り繕っていた。
「私の方こそ、ごめんね……もう、大丈夫だから。…………ありがとう」
 その言葉に、どれだけの意味が込められていたのだろう。シダレはそれを聞くことすらできなかった。
「……オキナを、呼んできてくれ」
 ヒメリが頷き、両手がそっと解かれる。こもっていたはずの力は、いつの間にか抜けていた。
「容態は……聞くまでもないか」
 オキナは相変わらず、青い顔をしていた。
「お前は負傷したのか」
「ううん。黒インクは当たったりしたけど……掠っただけだし、いつもより重く感じたくらいだよ」
 オキナがアタマの後ろを掻いて言った。隠しているような仕草は見受けられなかった。「そうか……」シダレは軽く息を吐くと、ベッドの左側にハイドラントが置かれていることに気づいた。
「ヒメリは……ずっと、泣いてたよ。それでも、もう2度と心配はかけたくないって、とにかく必死だった」
 オキナがそっと話してくれた。シダレの脳裏には、ヒメリの頬に残っていた赤い痕のことが浮かんでいた。
「シダレ……オレは、何があったのかは聞かない。でも1つだけ、質問させて」
 オキナが目線を合わせようとしたのを察し、シダレもそちらを見る。
「シダレは……カエデに会ったんだよね?」
 その問いに、シダレは頷きも、首を振りもしなかった。
「……確かに、カエデとは会った」
 少し間を開けて、口を開く。
「しかし、あいつは自分を『アオイ』と名乗っていた……本当の名前を呼んでも、振り向きすらしなかった」
 それが何を意味するか。オキナには充分伝わったようだった。
「……分かった。ありがとう、シダレ……ゆっくり休んで」
 オキナが立ち上がり、部屋のドアを閉め去った。後には静寂と、薄暗い空間だけが残った。

 シダレが意識不明だった数日間で、クロサメは更に猛威を振るうようになっていた。久しぶりにリビングへ出た時、シダレはヒメリがニュースを食い入るように見つめている姿を容易に忘れることができなかった。
「ヒメリ、クロサメのリーダーは……」
「知ってるよ。ニュースでやってたの」
 ヒメリが真剣な眼差しをテレビに向けたまま、整然とした様子で言った。
「そんなことより……お兄ちゃんの怪我が治ったら、ナワバリバトルしに行こうよ! 勿論、オキナも誘って」
 イカクッションを抱いて座ったまま、ヒメリがにっこり笑って言う。その笑顔が偽りのないものだということが、救いだったのかもしれない。シダレは未だ包帯の巻かれた左手を少し見やった後、その手でヒメリのアタマを撫でた。

 しかし、その約束が果たされることはなかった。

 流れてくるアナウンサーの声は、いつもの淡白さを失いかけている。
「ど、どうしよう……!」
 人ごみを掻き分けてモニター下まで来ると、あのエンブレムが視界に飛び込んできた。
 シダレは鼓動が速まるのを感じた。
「慌てるな。おそらくバトロイカも黙ってはいないだろう。すぐに体裁が下る」
 その言葉は本心か、はたまたそうであって欲しいという願掛けか。シダレは明確に後者であると悟っていた。アタマの黒い傷と、嘲るように笑う姿。あの日からそのような悪夢に、幾度となく苛まれた。
「帰るぞ……ここは危険過ぎる」
 如何にもらしいことを嘯いて、シダレはヒメリの手を引いた。

 ニュースはバトロイカが奮闘しているという内容をひたすら流し続けている。それでも、クロサメが圧倒的な力でねじ伏せているという現実は、誰から見ても明らかだった。

 2週間も経つ頃には、バトロイカもハイカラシティを離れ、実質的にその場所を捨てた。

 当然だろう。シダレは遠くから鳴り響く避難勧告を聞きながら、そんなことを考えていた。彼女の意志は、あまりにも強すぎるのだから。

「何処に行くの?」
 背後から妹の声がした。
「大丈夫だ。危険な真似はしない」
 シダレはそれだけ言うと、玄関の戸を開けた。

 何処に行くのか、それはシダレにも分からなかった。最後のハイカラシティを眺めておこうと思ったのかもしれない。クロサメが何時現れるのかすら分からなかったが、それでもいいとさえ感じていた。
 呆然としたまま歩いていると、見慣れた黄緑色の塔が目に映る。シダレはいつの間にか、イカスツリー前の広場までやってきていた。
事件以来、そのままなのだろう。そこには静けさだけが満ちていた。あまりにも不釣り合いな光景に、思わず息を呑む。1歩踏み出すごとに、昔の────シダレが初めてこの場を訪れた時のことが、鮮明に思い出された。

 強い日差しを背に、期待と興奮で胸を高鳴らせる。

 リスポーンデバイスから飛び出して、思うがままに塗り進んだりもした。

 それから暫く経とうとも、ナワバリバトル特有の緊張感、喜びはシダレ自身も肌で感じることができていた。

 誰かの眩しい笑顔が、霞んで消えた。

 広場の中央で歩を止め、ツリーを見上げる。その時、気づいてしまったのだ。
もし、クロサメを……カエデを止めることが出来ていたのならば、こんなことにはならなかったのだろうと。
 シダレはゆっくりと目を閉じる。

 その機会を、自分は情け1つで棒に振った。

 それだけで、他人の居場所や目的、数え切れないものを失わせたのだ。

 ……自分自身で取り戻さなければならない。

 過去を捨て去ってでも、そして、彼女を葬ってでも。

 シダレは目を開くと、ツリーの右側、クロサメのマークが表示された巨大モニターに向かってハイドラントを構える。少ししてから、つんざくような破裂音が辺りに響いた。踵を返した頃、モニターはひび割れ、そこから水色のインクが滴り落ちていた。

 夜の雨が降り注いだ地面の上を歩きながら、シダレは複数の目線を感じていた。探り合い、迷う者の瞳だ。
「クロサメに仇なす為には、当然相応の戦力が必要となる」
 シダレは目に呼びかける。
「これは遊びではない……クロサメに対する、我々からの『報復』だ。その意志の下に集うのだ」
 シダレの瞳は、イカスツリーを刺すように睨んだ。視線が頷くように瞬いた。
それから1ヶ月後────シダレは『シロツキ』という組織のリーダーとなっていた。




 全ては、『クロサメ』を滅ぼし、もとのセカイに戻すために。












(本当は…………なんて、思いたくもなかったはずなのに。)

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